終演報告ラスト!
というわけで、終演報告ラストは僭越ながら、私Junkoがお届けします。
LUTEA第1回公演からちょうど5年。第3回公演が無事に閉幕しました。皆々様、心より御礼申し上げます。ありがとうございました。
第1回公演の時は、まだ大学生でしたので、随分と長い月日が流れたように感じます。第2回まで間が空いたので、5年経っていながら、たったの3公演。でもどれも私にとっては大切な大切な3公演でしたし、また皆様に支えて見守って頂いたからこその3公演だったと思っています。
昔、どなたかから、3公演くらいやると団体としての方向性が定まってくるよ、と言われたことがあります。天邪鬼な私は型にはまってなるものか、とオムニバスに挑戦してみたり、また、その3作品を全部雰囲気の違う作品にしてみたりしていました。
終演後に、今までとはまた違った、とご感想頂いた時には一人ほくそ笑んでいましたが、一方で、LUTEAらしく洗練された、ですとか、品のある、などとご感想頂くとそれもまた嬉しく……。そこまで天邪鬼にならなくても良かったかなあなんて思いました笑笑
余談ですが、今回本当に多くのお客様がアンケートを記入してくださいました。その内容が愛に満ちていて、素敵な言葉に溢れていて、こちらもまたありがとうございました。
感謝の思いは尽きませんが、少しばかり今公演の作品について振り返っていこうと思います。よろしければお付き合いくださいませ。
まずは隣人。
隣人より充
これは構想自体は随分前からあったお話でした。そして、この作品ありきでオムニバスを組んでいった、という作品でした。
お化粧もナチュラルで、台詞の応酬も日常会話のような短文や相槌を多めにして、と自然につくってみました。
薄暗い中、外では蝉が鳴き、風が吹いて、風鈴が鳴る……。
ある夏に私自身が見たこんな景色を再現しようと、演出のMegumiさん、音響さん、照明さん方に大層お力添え頂きました。
一役者としては、充の寂しさ、やるせなさ、翔との再会による嬉しさ、そして不安、後悔……言葉少なですが、彼の中に渦巻く感情をどう出していくか、試行錯誤の日々でした。翔役のCoppeと、演出のMegumiさんと、あーでもないこーでもないと言いながらつくりあげていった過程は、苦しさの中にも楽しさが溢れてました。
続いて、あやしい同行人。
これはオムニバスを組むに当たってつくったお話です。
何を思ってつくったのかなと思って、当時のメモを見返したら、「あやしい同行人」「待ち合わせから始める」「男女」「隣席」「年の差 年配の男と若い女性」と書いてありました。待ち合わせ以外は達成してますね笑
ミステリー要素を入れつつも、あくまでも本筋は、かつての恋人たちのお話にしました。隣にいたのに、彼らの間には地位や身分という高い壁があった、という意味での「隣」と、辛く苦しい時に隣にいてくれる人の存在という意味での「隣」を重ねていました。
安定感抜群のHiromiさん、Megumiさんの芝居と、フレッシュでキュートなMiuの芝居と、後味すっきりな作品に仕上がったように思います。
最後に、作中に出てくる列車の事故は、実際にイギリスで起こった列車事故をモデルにしています。この場を借りて、事故に遭われた方々に哀悼の意を表します。
そして最後は痴人と死と。
痴人と死と より死
これだけは既存の戯曲でしたが、死は常に隣にあるものという意味で、オムニバスに組み込みました。
主人公のクラウディオほど極端ではなくとも、彼の思っていること、してきたことなどにちらと心当たりを感じて、己の人生を振り返ったり、これからの生き様を考えさせられたりする作品だなと思います。
アンケートを見る限りでは、ある程度以上の年齢の方たちから特に反響がありました。年代によって感じ方が違うんだなぁと、おもしろく感じました。
これは個人的な楽しみ方ですが、原作のある作品は観劇後に原作も読むと、新しい発見があると思っています。青空文庫にも載っていますので、よろしければ是非原作もお読みください。
一役者としては、ビジュアルにこだわり尽くしました。「色気の権化」というありがたい称号を賜ったり、ス○イプ先生みたいと言われたり(笑)、たくさんの反響があって、本当に嬉しかったです。
そうそう、写真でもチラチラと見えていましたが、今回舞台面のデザインもこだわっていました。
デザインしてくださった岩田さん、本当にありがとうございました。
「隣」には境界が必要と思い、センターのラインを配し、そこから素敵なデザインにして頂きました。
照明のついた舞台を見て、隣人では畳のイメージ、同行人では線路のイメージ、痴人と〜では人生におけるあらゆる分岐のイメージ、になるんじゃないかなあと思いましたが、いかがでしたでしょうか。
ここまでお読みいただきありがとうございます!
最初にも書きましたが、本当に多くの方に支えて頂いてできた公演でした。
ご観劇頂いた皆様、ご声援頂いた皆様、スタッフの皆様、キャストのみんな、本当にありがとうございました。
次回公演の予定は未定です。
というよりも、実は今回でLUTEAは終わりにしようと思っていました。
が、本番の翌日、仕事帰りに、ネタ帳を開いている自分がいたので、また公演やります、と言い出すかもしれませんし、言わないかもしれません。
気まぐれな主宰ですが、次回がある時にはまた応援して頂けると嬉しいです。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
ありがとうございました。
Junko
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